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LES SIX 25SSコレクション 「嘘でも良いから好きと思えることをやってみたかった」

  • ikuru15129
  • 2024年10月23日
  • 読了時間: 2分
シーズンを重ねるごとに、アノニマスなヴェールが一段、また一段と積み重なる。姿を何かで覆うこと、それは時に寂しさを、時にパブリックにおける美しさを合わせ持つ。まるで道に転がる苔石のように。

ファッションブランドLES SIX(レシス)が25SSコレクション”X”を発表。「今の世界はつまらない」と語った昨シーズンから、今シーズンは「どうせ頑張っても意味がないこの世界」へ。季節だけは移ろい、何も変わらない世界に向けて。
分からない。「生きているのか、生かされているのか」。前を向くために買った本やレコードの先に「何も無い事しか」。分からない。それでも、何かを探し続ける事でしか息もできない。自分が壊れないように何も考えず、何も感じないように同じことを繰り返していく。
死。分からないことだらけの世界で唯一、分かっていること。季節と違って、変わらないこと。今の世界と同じで、変わらないこと。どうせ最後に死ぬ。それなら、嘘でも良いから好きと思えることを。そんないつもの普通の物語を形にした25年の春と夏。

どうせ頑張っても意味がないこの世界は
過去に夢見た、名声も栄光も誰かの作り物で
結局誰かや何かの歯車にされているだけで
生きているのか、生かされているのかも分からなくて
マネキンに向かって布と糸と針を当ててみても
その先に新しい可能性なんてもう見えなくて
意味がないと分かっていても、誰かとの会話や酒で誤魔化しながら
淡々と毎日を過ごしていく
前を見るために無理に本やレコード、良い飯、ブランド物の服に当たり散らしてみたけど
結局その先にも何も無いことしか分からなくて
それでも何かを探し続ける事でしか息もできないから
1年に2回は、無理をしながら色んな人を巻き込んで頑張ってみる
自分が壊れないように何も考えず、何も感じないように同じことを繰り返していく
外の世界の大きな出来事は、どんどん日常の当たり前になっていって
少し前まで感じていたことも平凡になっていく
また誰かに操られている気がした
やっぱりどうせ最後に死んでしまうなら
嘘でも良いから好きと思えることをやってみたかった
そんないつもの普通の物語を形にしてみたんだ
-LES SIX

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